「最近、親がよくつまずくようになった」「なんだか元気がなくなってきた気がする」——そんな小さな変化、見逃していませんか？それ、もしかすると“フレイル”のサインかもしれません。フレイルとは、加齢により心身が衰えた状態を指しますが、家族のちょっとした気づきやサポートで予防が可能です。
この記事では、高齢のご家族と一緒にできる簡単な健康習慣を紹介します。例えば、買い物を散歩代わりにしたり、硬めの食材で噛む力を保つ工夫、日常会話で気分を明るくする声かけなど、すぐに取り入れられるアイデアを満載。また、「年のせい」と思って見過ごされがちな初期症状や、やりすぎサポートのリスクにも触れています。
家族全員で楽しく取り組める活動や、地域の支援機関との連携方法も紹介しますので、フレイル予防に不安を感じている方にはぜひ読んでいただきたい内容です。今日から始められる小さな一歩が、明日の大きな安心につながりますよ。
フレイルは予防できる！家族で支える健康習慣の第一歩
高齢になっても、いきいきと自立した暮らしを続けたい──そう願うのは、誰しも同じ。でも最近、「なんだか元気がない」「以前より食欲が落ちた気がする」…そんな小さな変化を感じていませんか？それは、もしかすると“フレイル”のはじまりかもしれません。
フレイルとは、加齢に伴って心身の活力が少しずつ低下していく状態のこと。健康と要介護のちょうど中間にあたります。見過ごされがちですが、早い段階で気づいて適切な対策をすれば、進行を止めたり、改善することも可能です。
この記事では、家族がフレイルの基本を理解し、日常生活の中でできるサポートのヒントをお伝えします。高齢者本人だけでなく、家族が一緒に取り組むことで、安心して年を重ねる暮らしがぐっと近づきます。
フレイルとは何か？そのリスクと家族の関わり方
フレイルという言葉、最近ではテレビや新聞などでも目にする機会が増えてきましたが、実はまだあまりよく知られていません。「体力が落ちたから仕方ない」と思われがちですが、実はそうではありません。
フレイルには、大きく3つの側面があります。「身体的な衰え（筋力・体力）」「認知機能や意欲の低下」「社会的な孤立」です。たとえば、「ちょっと転びやすくなった」「出かけるのが億劫になった」「人と話す機会が減った」といった小さな変化が、フレイルのサインです。
国の調査によると、75歳以上の高齢者のうち、およそ4人に1人がフレイルまたはその前段階にあるとされています。ですが、この状態からの回復は十分に可能。そのカギを握るのが「家族」です。
家族がフレイルの兆候にいち早く気づき、声をかけたり、食事や生活習慣をサポートすることで、本人のやる気や自信を取り戻す手助けができます。たとえば、「今日は少し外を歩いてみようか」と声をかけたり、「歯ごたえのあるおかずにしてみたよ」と食事での工夫を取り入れることで、自然な形で改善に向かうことができるのです。
高齢者本人だけでなく、家族も知っておくべき基礎知識
フレイルは“老化”とは違い、「進行を止められる」「予防できる」という点が最大の特徴です。だからこそ、高齢者本人だけでなく、家族が正しい知識を持つことがとても大切です。
まず押さえておきたいのは、「フレイルの見分け方」。厚生労働省では、以下のようなチェックリストを提示しています。
- 体重が半年で2〜3kg以上減っていないか？
- 以前より歩くのが遅くなっていないか？
- 最近疲れやすくなっていないか？
- 筋力（握力）が落ちていないか？
- 活動量が減っていないか？
こうした項目に1つでも当てはまる場合、すでにフレイルの初期段階にあるかもしれません。
また、フレイルの予防・改善には「栄養」「運動」「社会参加」の3本柱が必要とされています。これを家族が理解しておけば、具体的な対策も取りやすくなります。
- 栄養…バランスのとれた食事、特にタンパク質の摂取がカギ
- 運動…無理のない範囲で体を動かす習慣（例：買い物や掃除も立派な運動）
- 社会参加…人と関わる機会を意識的に作ることが心の活性化につながる
また、最近では「地域包括支援センター」などで無料のフレイル健診が行われていたり、「フレイルチェック会」と呼ばれる地域イベントも開催されています。こうした機会を活用することで、家族も本人も自分の状態を“見える化”できます。
さらに、最近注目されているのが「高齢者向けの健康アプリ」。歩数や活動量を記録したり、食事を管理できるアプリも増えていて、「今日は何歩歩いたよ」と家族と話題にするだけでも励みになります。ただし、スマホの操作が難しい場合は、家族が一緒に使ってあげるのがポイントです。
フレイルは、決して「年だから仕方ない」と片付けるものではありません。むしろ「今こそ見直すチャンス」なんです。
日常の中で少しずつ取り組んでいけば、大きな変化が生まれます。家族が「気づく・支える・楽しむ」というスタンスで関われば、フレイル予防はぐっと現実的なものになります。
フレイルを正しく理解し、家族みんなで取り組むこと。それが、長く元気に、自分らしく生きるための第一歩になります。
毎日の生活に取り入れたい！簡単にできるフレイル予防のコツ
フレイルは、日々のちょっとした工夫で予防できます。特別な器具や運動をしなくても、いつもの暮らしに“少しの意識”を加えるだけで、体力・筋力・心の健康までまるごとサポートできるんです。
今回は、「買い物」「料理」「会話」といった日常的な行動の中で、自然にフレイル予防につながるアイデアを紹介します。どれも難しいことではなく、むしろ“楽しみながら続けられる”ことばかり。毎日の生活に取り入れることで、知らないうちに健康に近づいていけます。
買い物や料理で自然に運動量を増やすアイデア
「運動は苦手」「ジムに行くのは面倒」…そう感じる高齢者の方は少なくありません。でも実は、特別な運動をしなくても、買い物や料理といった日常動作だけで十分な運動になるんです。
たとえば、週に数回でも「徒歩で買い物に行く」ことを習慣にすれば、それだけで心肺機能や脚力の維持につながります。買い物先では、店内をゆっくり歩いて回るだけでも立派な運動。買い物袋を持ち帰る行為も、筋力維持に役立ちます。
また、料理は意外と“全身運動”。立ちっぱなしで野菜を切ったり、鍋を持ったり、腕や腰、足元のバランス感覚まで使います。調理時間が長くなると負担が大きくなることもありますが、「一緒に料理をする」「無理のない範囲で動いてもらう」など家族のサポート次第で楽しさに変わります。
ポイントは、「あえて動く」こと。エレベーターではなく階段を選ぶ、少し遠回りして歩く、台所でも立って作業をするなど、わずかな動きの積み重ねが大きな差を生みます。
さらに、最近は「フレイル予防ウォーキングマップ」として地域ごとにおすすめの散歩コースを紹介している自治体もあります。チェックして、近くの商店街や公園を歩くルートを探すのも楽しいですね。
歯ごたえある食事で咀嚼力を維持する食習慣
見落とされがちですが、フレイル予防にとって“噛む力＝咀嚼力”の維持は非常に重要です。噛む力が衰えると、食事のバランスが崩れやすくなり、結果として栄養不良や筋力低下を招いてしまいます。
では、どうすれば咀嚼力を保てるのでしょうか？
ひとつの方法が、「歯ごたえのある食材を意識的に取り入れる」ことです。たとえば、以下のような食材がおすすめです。
- 根菜類（ごぼう、人参、大根）
- 海藻類（ひじき、わかめ）
- 豆類（大豆、枝豆）
- ナッツ類（無塩のアーモンドなど）
ただし、硬すぎると逆に負担になる場合もあるので、その人の歯の状態に合わせて調整することが大切です。煮物や炒め物など調理法を工夫して、「噛み応えはあるけれど食べやすい」状態にするといいですね。
また、よく噛むことは唾液の分泌を促し、口内環境の改善にもつながります。唾液には食べ物の消化を助けたり、菌を洗い流す役割があり、誤嚥（ごえん）性肺炎の予防にも効果的です。
もうひとつのポイントは、「噛む回数を意識する」こと。家族が「ゆっくりよく噛もうね」と声をかけたり、一緒に「30回噛んでから飲み込むチャレンジ」をするなど、楽しく取り組める工夫も効果的です。
朝晩の会話がカギ！社会参加を促す家族の声かけ術
社会参加とは、友人との交流、地域活動への参加、家族とのコミュニケーションなどを含む、“人とのつながり”を持つことです。これがフレイル予防において、実は非常に重要な役割を果たします。
孤立は、心身の衰えを早める大きなリスク。特にコロナ禍以降、外出や交流の機会が減ってしまった高齢者が多く、フレイルの進行が加速する背景にもなっています。
その対策として、最も簡単にできて効果的なのが「家族との会話」です。
特別なテーマがなくても、「今日はどうだった？」「天気がいいね」「テレビで面白い番組やってたよ」…そんな日常的な会話の積み重ねが、心の刺激になり、自分の気持ちを言葉にする力や表情筋の維持にもつながります。
特に「朝と晩に声をかける習慣」は効果が大きく、1日を前向きにスタートできたり、安心して眠りにつく気持ちの安定につながります。
また、社会参加を広げるために家族ができるのは、以下のような声かけです。
- 「近所の○○さんに会いに行ってみない？」
- 「地域の体操教室に一緒に行ってみようか」
- 「趣味のサークルに参加してみない？」
ただし、無理に勧めるのではなく、「本人の興味」に寄り添うことが大切です。家族のちょっとした後押しが、新しいつながりや意欲のきっかけになることもあります。
さらに最近では、「高齢者向けSNS」や「オンライン趣味サークル」も増えていて、家にいながら交流を楽しめる方法も選べるようになっています。スマホの操作に不安がある場合は、家族が一緒にサポートすることで新しい世界が広がります。
日常の中にある“ちょっとした行動”が、フレイルを遠ざける力になります。難しいことをする必要はありません。むしろ、家族と一緒に「買い物を楽しむ」「料理を一緒にする」「会話を増やす」ことが、最高の予防策になるんです。
今日からできること、ぜひ一つでも取り入れてみてください。
家族全員が楽しめる！日常で実践できる予防活動アイデア集
フレイル予防というと「特別なことが必要なのでは？」と思いがちですが、実は大切なのは“日常の中で継続できる”活動を家族と一緒に楽しむことです。
年齢を問わず取り組める予防活動は、生活の質を高めながら高齢者の身体的・精神的な衰えを防ぐ大きな力になります。ここでは、家族全員が無理なく楽しく続けられるアイデアを紹介します。家族で取り組めば、絆も深まり、笑顔も自然に増えるはずです。
一緒に散歩、ストレッチ、笑いのある時間を日課に
まず最も手軽に始められるのが、「一緒に歩く」こと。近所を軽く散歩するだけでも、足腰の筋力維持や心肺機能の改善につながります。
散歩を習慣にする3つのコツ
- 目的を持たせる：「今日は○○公園まで歩こう」「新しくできたカフェまで行ってみよう」など、“ただ歩く”だけでなく、目的地があると楽しくなります。
- 会話をしながら歩く：歩きながら話すことで、脳も刺激され、認知機能の維持に効果的です。
- 決まった時間に行う：たとえば「朝食後」や「夕食前」など、ルーティン化することで継続しやすくなります。
また、散歩に加えておすすめなのが「ストレッチ」や「軽い体操」。椅子に座ったまま行える体操や、ラジオ体操、YouTubeの高齢者向け動画なども活用できます。家族全員で行うと、“みんなで健康になろう”という気持ちも自然と育まれます。
笑いの力も侮れない
そしてもう一つ忘れてはならないのが「笑い」。最近の研究では、笑いが免疫力を高め、血糖値の改善やうつ予防にも効果があると報告されています。
- 家族で昔の思い出話をする
- お笑い番組を一緒に見る
- 笑いヨガやレクリエーションを取り入れる
こうした“笑う時間”を日課にすることで、心の健康も守られます。笑いは副作用ゼロの最強の健康法です。
高齢者も使える健康アプリの活用方法と注意点
最近では、高齢者のフレイル予防や健康維持に役立つスマートフォンアプリが数多く登場しています。中には自治体や医療機関が監修している信頼性の高いアプリもあり、自宅にいながら健康管理ができる便利なツールとして注目されています。
高齢者向けの代表的な健康アプリ
- フレイル予防アプリ（自治体開発）
→ 体調や活動量、食事内容などを簡単に記録でき、異常があればアラートも出ます。 - 歩数計・運動促進アプリ
→ 歩数や移動距離を自動で記録し、日々の成果が「見える化」されることで、やる気が持続します。 - 脳トレ系アプリ
→ ゲーム感覚で楽しめるため、認知機能の維持に効果があり、家族とも一緒に楽しめます。
活用するときの注意点
- アプリの操作がシンプルかどうか
→ 小さな文字や複雑な操作は高齢者には不向き。ボタンが大きく、操作が直感的なものを選びましょう。 - サポート体制があるか
→ 地方自治体が提供しているアプリは、相談窓口や使い方説明会がある場合も。導入時にはそれを活用するのも一つの手です。 - 家族のフォローがカギ
→ スマホやアプリに不慣れな高齢者でも、家族が丁寧にサポートすることで安心して使えます。
家族で“デジタル健康習慣”を取り入れる
家族全員がスマホを使っている場合は、「今日は何歩歩いた？」「脳トレの点数どうだった？」といった会話のきっかけになります。共通のアプリを使うことで、世代を超えた“健康の話題”が日常に溶け込みやすくなります。
また、最近ではAI搭載の「見守り機能付きアプリ」や「声かけチャット機能」などもあり、遠く離れて暮らす家族ともコミュニケーションが取れるように進化しています。
日常生活の中に、楽しさと健康を組み込むことが、フレイル予防を続ける最大のポイントです。家族で一緒に散歩をし、笑い合い、アプリで励まし合う。そんな時間こそが、心と体を元気に保つ最高の薬になるのです。
無理をせず、できることから一歩ずつ。家族の“楽しい予防活動”を、ぜひ今日から始めてみてください。
家族にありがちな誤解と注意点！フレイル予防の落とし穴とは？
フレイル予防を家族で取り組むのはとても良いことですが、実はそこに“見落としやすい落とし穴”があるのをご存じですか？
高齢の家族のちょっとした変化を「年のせい」と流してしまったり、逆に良かれと思って過剰に手を貸しすぎたり――。こうした行動が、かえってフレイルの進行を早めてしまうケースが少なくありません。
ここでは、よくある誤解や注意点を踏まえながら、フレイル予防を“効果的に、そして無理なく”進めていくためのポイントを解説します。
「年のせい」と見逃さない！初期フレイルのサイン
「最近ちょっと元気がないけど、年齢のせいよね」「食が細くなったのも、年だから仕方ない」――
このような思い込みが、初期フレイルの兆候を見逃す原因になります。
初期フレイルによく見られるサイン
- 体重が1年で2〜3kg以上減少した
- 疲れやすく、外出を避けるようになった
- 歩くスピードが以前より遅くなった
- 食事の量や回数が減っている
- 物忘れや話す機会が減ったと感じる
これらはすべて“フレイル予備軍”である可能性を示すシグナルです。
家族が陥りやすい「加齢との混同」
フレイルはあくまで“可逆的”な状態です。早期に気づいて対策すれば、元の健康状態に戻ることも十分可能です。しかし、加齢と混同して放置すると、やがて介護が必要な状態（要介護）に移行するリスクが高まります。
厚生労働省の調査（※）によると、フレイルの有病率は65歳以上でおよそ15%前後、さらに「プレフレイル（前段階）」に該当する人を含めると、約50%以上に及ぶとされています。
※出典：厚生労働省「健康日本21（第二次）中間評価報告書」
「おかしいな？」と思ったら
小さな変化を見逃さないことが、フレイル予防の第一歩です。「最近出かけたくなさそう」「食べる量が急に減った」など、以前と違う行動があれば、遠慮せずに声をかけましょう。
やりすぎは逆効果？無理のないサポートのコツ
家族の健康を思うあまり、ついつい手を出しすぎていませんか？
フレイル予防において大切なのは、“自立を支える”という姿勢です。やりすぎのサポートは、本人のやる気をそいでしまう可能性があります。
やりすぎサポートの具体例
- 買い物や掃除など、本人ができることをすべて家族が代行する
- 転倒を心配して外出を制限してしまう
- 食事や運動を「これしなきゃダメ」と押しつける
これらの行動は、結果として身体機能の低下や孤立感を招き、逆にフレイルを進行させる恐れがあります。
無理のないサポートのポイント
- “できること”を奪わない
→ 多少時間がかかっても、自分でやってもらうことが自信と活力につながります。 - 選択肢を提示する
→ 「一緒に歩く？」「家の中でストレッチする？」と、本人の意志を尊重しましょう。 - 共に楽しむ姿勢で関わる
→ “やってあげる”ではなく、“一緒にやろう”というスタンスがベストです。 - 失敗やスローペースを受け入れる
→ 完璧を求めないこと。継続こそが最大の成果です。
家族自身の余裕も大事に
無理のないサポートは、家族にとってもストレスの軽減になります。介護や支援はマラソンのようなもの。長く続けるためには、家族自身が無理なく、心の余裕を持って接することがとても重要です。
フレイル予防は、正しく理解し、バランスの取れた支援をすることで大きな成果が得られます。「年齢のせい」と決めつけず、小さな変化を見逃さず。そして、必要以上のサポートで自立心を奪わないこと。これらが“落とし穴”を避けるための鉄則です。
家族の役割は「何でもしてあげること」ではなく、「できることを応援すること」。そうしたサポートこそが、本人の意欲を引き出し、健やかな老後へとつながります。
医療・介護の専門家と連携して取り組む家庭でのフレイル対策
家族だけでフレイル対策に取り組むのは限界があります。だからこそ、医療や介護の専門家と連携することが重要です。実は、地域にはフレイル予防を支援する仕組みが整っており、これを活用しない手はありません。
この記事では、地域包括支援センターや医療機関との連携方法、そして「フレイル健診」の活用によって、家族で取り組む予防活動をより効果的にする具体的な方法を紹介します。
地域包括支援センターや医療機関の上手な活用法
地域包括支援センターとは？
高齢者の生活全般を支えるために設置されている公的機関で、
- 介護予防の相談
- 地域資源の紹介
- 家族介護の助言
- フレイル予防プログラムの紹介
など、幅広いサービスを提供しています。全国どこにでもあり、無料で利用可能なのが大きな魅力です。
活用するメリット
- 専門家の視点で助言を受けられる
→ 保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャーが在籍しており、家族では判断しにくい健康状態や支援の必要性についてプロの視点でアドバイスがもらえます。 - 地域で実施されている介護予防プログラムの紹介
→ 筋力トレーニング、口腔ケア講座、交流会など、フレイル対策につながる活動が地域にはたくさんあります。 - 必要に応じて医療・介護機関と連携
→ 早めに対応すべきと判断された場合は、医療機関やケアマネジャーと連携して必要な支援につなげてくれます。
医療機関との連携もカギ
高齢者のフレイルは、疾患の前段階と考えることができます。かかりつけ医に「最近疲れやすい」「食欲がない」などの変化を伝えることで、フレイルの早期発見や治療すべき病気の発見につながります。
また、内科医や歯科医、栄養士、理学療法士など、さまざまな医療職がチームで支援する「多職種連携」の体制も、近年多くの医療機関で整備されてきています。これを活用することで、より幅広い支援が受けられます。
フレイル健診を受けて家族で状態を見える化しよう
フレイル健診とは？
フレイル健診は、主に市区町村が実施している高齢者向けの健診プログラムです。
身体機能、栄養状態、口腔機能、認知機能、社会参加などを包括的に評価し、「現在の健康状態」や「将来的なリスク」を見える化します。
主なチェック項目
- 歩行速度や握力などの身体機能測定
- BMIや食事状況からの栄養評価
- 咀嚼や飲み込み力のチェック
- 記憶力や判断力などの簡易認知機能評価
- 外出頻度や人との関わりに関する質問
家族にとってのメリット
- 客観的なデータで状況を共有できる
→ 「なんとなく心配」という状態から、「ここにリスクがある」と把握でき、家族間での情報共有や支援方針の一致が取りやすくなります。 - 必要な支援につながりやすくなる
→ 健診結果によっては、地域包括支援センターや医療機関からフォローアップが受けられます。 - 予防のタイミングを逃さない
→ 明確な数値や評価をもとに、早期から生活改善に取り組めるため、将来の介護リスクを下げることができます。
健診を受けるには？
お住まいの市区町村が実施している「後期高齢者健診」や「介護予防健診」にフレイルチェックが含まれていることが多いです。
広報誌や役所のホームページなどで情報を確認し、対象年齢や実施時期をチェックしましょう。
フレイルは“家の中だけで何とかするもの”ではありません。地域の支援制度や専門機関を賢く利用することで、より効果的に予防と対応ができます。
そして、フレイル健診を通じて「今の状態」を正しく理解し、必要な行動に結びつけていくことが、家族みんなで健康を守るための大きな一歩です。
まとめ
フレイルは、決して「老いだから仕方ない」とあきらめるものではありません。家族が一緒に取り組むことで、予防も改善も十分に可能です。本記事では「家族で取り組むフレイル予防！日常でできる簡単な健康習慣を紹介」というテーマのもと、フレイルの基本から、日常生活でできる具体的な予防策、家族で実践できるアイデアまで幅広くご紹介しました。
まず大切なのは、「フレイルとは何か？」を正しく理解すること。フレイルは身体的・精神的・社会的な機能が少しずつ低下していく状態で、放っておくと要介護のリスクが高まります。しかし、早期に気づき、行動を起こすことで進行を防ぐことができます。特に家族がそのサインに気づくことが、予防の第一歩になります。
次に、フレイル予防のためには日々の生活の中に自然に取り組める工夫が欠かせません。たとえば、買い物や料理といった日常動作も、ちょっとした「運動」に早変わりします。また、噛む力（咀嚼力）を保つために、歯ごたえのある食材を積極的に取り入れることも大切です。毎日の食事や会話が健康維持につながると思うと、取り組みも前向きになれますね。
そして、フレイル予防において見逃せないのが「社会とのつながり」です。高齢者が孤立しないようにするためには、家族の声かけや日常的な交流がとても重要です。毎朝「おはよう」、夜には「おやすみ」と声をかけるだけでも、心の健康に大きな影響を与えます。社会参加を促すような仕組みや、家族みんなで取り組める活動を生活に取り入れていきましょう。
たとえば、
- 一緒に散歩する習慣を作る
- 自宅で一緒にストレッチする
- 笑顔になれる時間を意識的につくる
こうした時間を通して、家族の絆も深まりますし、高齢者本人の気持ちも前向きになります。
また、最近では高齢者でも使いやすい健康アプリが増えてきています。歩数計や体調管理アプリを活用すれば、自分の状態を見える化でき、フレイル予防にも効果的です。ただし、アプリに頼りすぎず、操作が難しい場合は家族がサポートすることも忘れずに。
さらに、意外と見落としがちなのが「やりすぎ」のリスク。家族が心配するあまり、過度にサポートしてしまうと、自立心を奪ってしまうことがあります。無理なく、本人のペースに合わせることが大切です。そして、年齢のせいにして初期のフレイルサインを見逃さないこと。違和感を感じたら、医療機関や地域包括支援センターに相談する勇気も持ちましょう。
地域包括支援センターは、医療・福祉・介護の相談窓口として活用できますし、フレイル健診などの予防サービスにもつながります。家族だけで抱え込まず、専門機関と連携していくことで、より安心して予防に取り組める体制が整います。
フレイル予防は、特別なことではなく、日常のなかの「ちょっとした習慣」がカギです。
それを「家族みんなで」「楽しく」取り組めるようにすれば、心も体もずっと元気でいられます。
これからの人生を、より充実したものにするためにも、今日から始めてみませんか？
無理せず、でも確実に。家族みんなで支え合いながら、フレイルに負けない毎日を築いていきましょう。
