
年齢を重ねると誰でも体力や筋力が低下していきますが、それを単なる老化と片付けていませんか?
実はその陰に「フレイル」という進行性の衰弱状態が隠れていることがあります。
フレイルとは、放置すると介護が必要になるリスクが高まる怖いサイン。しかし、早い段階で気づけば予防も可能です。
この記事では、「疲れやすい」「外出が減った」「体重が減少してきた」など、見逃しがちな初期症状をわかりやすく解説。
さらに、フレイル進行による転倒リスクや認知症との関係、社会的孤立がもたらす悪影響についても詳しく紹介します。
また、簡単にできるフレイル予防の運動や栄養改善法、自己流対策で逆効果にならないための注意点も取り上げます。
「まだ大丈夫」と思っている今こそ、自分自身や大切な家族を守るために、正しい知識と対策を身につけましょう!
フレイルが進行するとどんなリスクがある?初期段階で見逃さないために
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の間にある、心身の衰えが進みやすい段階のことを指します。この「フレイル進行」を放置すると、将来的に介護が必要になるリスクが一気に高まります。でも安心してください。実は、フレイルには初期の小さなサインがあり、早めに気づいて対策を講じれば進行を防ぐことができます。この記事では、フレイルが進行するとどんなリスクがあるのか、そして介護を必要とする前に見逃してはいけないサインについて詳しく解説していきます。
疲れやすさや体重減少は見逃せない重要サイン
まず、フレイルの初期症状として非常に多いのが「疲れやすさ」と「体重減少」です。
以前は元気に活動できたのに、最近すぐに疲れる、長時間歩けない、そんな変化を感じていませんか?これこそが、フレイル進行の最もわかりやすいサインの一つです。
体重減少についても注意が必要です。厚生労働省の「健康日本21(第二次)」によると、65歳以上の高齢者で6か月以内に体重の5%以上が減少すると、フレイルや要介護リスクが急増することがわかっています。
たとえば、60kgだった人が6か月で57kg以下になったら要注意ということです。
この体重減少は、単なる「食が細くなった」だけでなく、筋肉量が減っているサインかもしれません。筋肉量の減少は「サルコペニア」という別のリスクも引き起こし、転倒や骨折を招く原因になります。
疲れやすさと体重減少、この二つの小さな変化に早く気づくことが、フレイル進行を止める第一歩です。
社会的孤立がフレイル悪化を加速させる理由
さらに見逃せないのが「社会的孤立」です。実は、体の衰えだけでなく、人とのつながりが減ることもフレイル進行を加速させる大きな要因なんです。
最近の研究(東京都健康長寿医療センター研究所調査)では、週1回以上の友人・家族との交流がある高齢者は、孤立している人に比べてフレイル発症率が約40%も低いというデータが出ています。
つまり、孤独はフレイルを一気に進行させる「隠れたリスク」なのです。
外出の機会が減り、誰とも話すことがなくなると、心の活力も低下します。精神的な活力が落ちると、体を動かす気力もなくなり、運動量が激減。結果として筋肉も衰え、さらに転倒リスクや栄養不足に拍車がかかるという悪循環に陥ってしまいます。
「最近、人と話すことが減ったな」と感じたら、それは身体のサインと同じくらい重要な警告です。
フレイルの初期サインは、本当に些細な変化です。でも、それに気づき、適切な行動を取るかどうかが、将来の健康寿命を大きく左右します。
次回は、放置するとどのように介護リスクが高まっていくのか、さらに詳しく解説していきます。ぜひ続けてお読みください!
フレイル進行の放置で介護リスクが高まる!そのメカニズムとは
フレイルは単なる「年齢による衰え」だと思われがちですが、放置すると確実に介護が必要な状態へと進行してしまいます。その背景には、身体能力の低下だけでなく、転倒や骨折、さらに認知機能の低下といった複数のリスクが連鎖的に関わっています。この記事では、フレイル進行がなぜ介護リスクを劇的に高めるのか、そのメカニズムについて具体的に解説していきます。
転倒・骨折のリスク増加が介護生活を招く
フレイルが進行すると、まず最初に現れる大きな問題は「転倒リスクの増加」です。
健康なときは簡単にバランスを取れていた動作でも、筋力が落ち、反射神経も鈍ることで、些細な段差や滑りやすい床でも転倒しやすくなります。
厚生労働省の「介護保険事業状況報告」によると、要介護認定を受けた原因の約12%が「骨折・転倒」となっています。つまり、転倒・骨折は、介護が必要になる大きな引き金の一つなのです。
具体例を挙げると、以下のようなリスクが高まります。
- 太もも周りの筋肉(大腿四頭筋)が弱ることで、立ち上がる動作が不安定になる
- 足首の筋力低下により、歩行時につま先が引っかかりやすくなる
- 視力や空間認識能力の低下により、障害物に気づきにくくなる
そして一度転倒して骨折してしまうと、そこから寝たきり状態に陥りやすくなります。
寝たきりになると筋力がさらに低下し、心肺機能も弱まり、悪循環に陥ってしまうのです。
つまり、「転倒を防ぐ=介護生活を防ぐ」という強い因果関係があるということを絶対に覚えておきたいですね。
認知症とフレイルの深い相関関係を知る
フレイルと身体機能の低下だけではありません。実は、フレイルの進行は「認知症」とも密接に関わっていることが、近年の研究で明らかになっています。
国立長寿医療研究センターのデータによれば、フレイルの高齢者は認知症を発症するリスクが2〜3倍高まることが示されています。
なぜかというと、フレイルによって活動量が減少すると、脳への刺激も減り、神経細胞が活性化されにくくなるからです。
たとえば…
- 外出が減り、見慣れた風景しか目にしなくなる
- 会話が減り、新しい情報を得る機会が減少する
- 好奇心やチャレンジ精神が低下し、脳が「退屈」状態に陥る
こうした生活環境が、脳の認知機能の低下を加速させてしまいます。
さらに、認知症が進行すると自分で栄養管理や運動ができなくなり、フレイルが一層悪化。
結果、身体も脳も一気に弱ってしまうという、危険なスパイラルに陥るのです。
実際、要介護認定を受ける理由として最も多いのが「認知症」であり、全体の約18%を占めています(令和4年度介護保険事業状況報告より)。
つまり、フレイル対策は、認知症対策でもあるということ。
身体と脳、両方の健康を守るためにも、早めの対応が何よりも重要です。
ここまで読んでいただいた方には、もうおわかりいただけたと思います。
フレイルの放置は「転倒による骨折」や「認知症発症」といった深刻なリスクを引き起こし、最終的には介護生活に直結してしまいます。
しかし、裏を返せば、今すぐ行動すればこのリスクは大幅に下げられるということです。
次回は、フレイル進行を防ぐために今日から始められる具体的な対策について、詳しく解説していきます。未来の自分のために、できることから少しずつ始めていきましょう!
こんな変化に注意!フレイル進行を知らせる日常の小さなサイン
フレイルはある日突然進行するものではありません。多くの場合、生活の中の“ちょっとした変化”として現れます。その小さなサインに早く気づくことができれば、フレイルの進行を食い止め、健康な生活を長く続けることができます。ここでは、特に注意したい2つの兆候「外出頻度の減少」と「食事量の低下」について詳しく解説します。
買い物や外出の頻度が減ったら要注意
「最近、あまり出かけたがらなくなった」
「買い物が面倒だと言って引きこもりがち」
このような変化は、フレイル進行の初期サインとして見逃してはいけません。
買い物や外出は、単に歩いて体を動かすだけでなく、外の空気を吸い、人と会話し、さまざまな刺激を受ける重要な活動です。
外出頻度の減少=運動量の減少+社会的孤立のリスク増加という二重の悪影響をもたらします。
なぜ外出しなくなるのか?
- 膝や腰の痛みで歩くのが億劫になる
- 筋力が落ちて移動が不安になる
- 人との関わりを避けるようになる(コロナ禍の影響も)
- 天候や気温の変化に過敏になる
これらの心理的・身体的理由が重なることで、外出そのものが減少し、結果として身体機能も社会性も同時に低下していきます。
特に75歳以上の高齢者では、週に1回以上の外出がないとフレイルの発症率が高まるというデータもあります。
また、外出が減るとバランス感覚や下肢筋力が落ち、転倒リスクも上昇。
つまり、買い物や散歩に行かなくなったという小さな変化が、将来的な要介護状態への第一歩になってしまうのです。
食事量の減少は危険なフレイル進行の前兆
「食欲がない」「量が食べられなくなった」
こうした食事量の変化も、フレイルの重要なサインです。
栄養が不足すると、筋肉が減りやすくなり、体力や免疫力も落ちてしまいます。
特に高齢者は筋肉を維持するためのたんぱく質摂取量が若年層よりも多く必要になります。
食事量が減る原因とは?
- 噛む力や飲み込む力(咀嚼・嚥下機能)の低下
- 味覚の変化により食事が楽しくなくなる
- 一人暮らしによる「食べる楽しさ」の喪失
- 料理や買い物へのモチベーションの低下
また、「ダイエット感覚」で食事を制限している人もいますが、これは非常に危険です。
無理なカロリー制限は、逆にフレイル進行を早めることが知られています。
チェックポイント:食事の質にも注目!
- 一日三食、バランスよく食べているか?
- 肉・魚・豆製品などのたんぱく源が摂れているか?
- 食事の時間が乱れていないか?
- 一人で食べていないか?(孤食)
こうした点に変化が見られたら、フレイルが進行している可能性があります。
2023年に日本老年医学会が発表したガイドラインでは、「栄養の偏り」はフレイル診断の主要項目に含まれています。
このように、外出頻度の減少や食事量の低下といった日常の小さな変化は、すべてフレイル進行のサインです。
「歳だから仕方ない」と見過ごすのではなく、「今が踏みとどまるチャンス」だと捉えることが大切です。
周囲の家族や介護者がこうした変化に気づき、声をかけ、支援を始めることで、フレイルの悪化を未然に防ぐことができます。
次回は、こうした兆候を感じたときに実際に何をすればいいのか、フレイル予防の具体策を紹介していきます。
こんな変化に注意!フレイル進行を知らせる日常の小さなサイン
フレイルはある日突然進行するものではありません。多くの場合、生活の中の“ちょっとした変化”として現れます。その小さなサインに早く気づくことができれば、フレイルの進行を食い止め、健康な生活を長く続けることができます。ここでは、特に注意したい2つの兆候「外出頻度の減少」と「食事量の低下」について詳しく解説します。
買い物や外出の頻度が減ったら要注意
「最近、あまり出かけたがらなくなった」
「買い物が面倒だと言って引きこもりがち」
このような変化は、フレイル進行の初期サインとして見逃してはいけません。
買い物や外出は、単に歩いて体を動かすだけでなく、外の空気を吸い、人と会話し、さまざまな刺激を受ける重要な活動です。
外出頻度の減少=運動量の減少+社会的孤立のリスク増加という二重の悪影響をもたらします。
なぜ外出しなくなるのか?
- 膝や腰の痛みで歩くのが億劫になる
- 筋力が落ちて移動が不安になる
- 人との関わりを避けるようになる(コロナ禍の影響も)
- 天候や気温の変化に過敏になる
これらの心理的・身体的理由が重なることで、外出そのものが減少し、結果として身体機能も社会性も同時に低下していきます。
特に75歳以上の高齢者では、週に1回以上の外出がないとフレイルの発症率が高まるというデータもあります。
また、外出が減るとバランス感覚や下肢筋力が落ち、転倒リスクも上昇。
つまり、買い物や散歩に行かなくなったという小さな変化が、将来的な要介護状態への第一歩になってしまうのです。
食事量の減少は危険なフレイル進行の前兆
「食欲がない」「量が食べられなくなった」
こうした食事量の変化も、フレイルの重要なサインです。
栄養が不足すると、筋肉が減りやすくなり、体力や免疫力も落ちてしまいます。
特に高齢者は筋肉を維持するためのたんぱく質摂取量が若年層よりも多く必要になります。
食事量が減る原因とは?
- 噛む力や飲み込む力(咀嚼・嚥下機能)の低下
- 味覚の変化により食事が楽しくなくなる
- 一人暮らしによる「食べる楽しさ」の喪失
- 料理や買い物へのモチベーションの低下
また、「ダイエット感覚」で食事を制限している人もいますが、これは非常に危険です。
無理なカロリー制限は、逆にフレイル進行を早めることが知られています。
チェックポイント:食事の質にも注目!
- 一日三食、バランスよく食べているか?
- 肉・魚・豆製品などのたんぱく源が摂れているか?
- 食事の時間が乱れていないか?
- 一人で食べていないか?(孤食)
こうした点に変化が見られたら、フレイルが進行している可能性があります。
2023年に日本老年医学会が発表したガイドラインでは、「栄養の偏り」はフレイル診断の主要項目に含まれています。
このように、外出頻度の減少や食事量の低下といった日常の小さな変化は、すべてフレイル進行のサインです。
「歳だから仕方ない」と見過ごすのではなく、「今が踏みとどまるチャンス」だと捉えることが大切です。
周囲の家族や介護者がこうした変化に気づき、声をかけ、支援を始めることで、フレイルの悪化を未然に防ぐことができます。
次回は、こうした兆候を感じたときに実際に何をすればいいのか、フレイル予防の具体策を紹介していきます。
こんな変化に注意!フレイル進行を知らせる日常の小さなサイン
フレイルはある日突然進行するものではありません。多くの場合、生活の中の“ちょっとした変化”として現れます。その小さなサインに早く気づくことができれば、フレイルの進行を食い止め、健康な生活を長く続けることができます。ここでは、特に注意したい2つの兆候「外出頻度の減少」と「食事量の低下」について詳しく解説します。
買い物や外出の頻度が減ったら要注意
「最近、あまり出かけたがらなくなった」
「買い物が面倒だと言って引きこもりがち」
このような変化は、フレイル進行の初期サインとして見逃してはいけません。
買い物や外出は、単に歩いて体を動かすだけでなく、外の空気を吸い、人と会話し、さまざまな刺激を受ける重要な活動です。
外出頻度の減少=運動量の減少+社会的孤立のリスク増加という二重の悪影響をもたらします。
なぜ外出しなくなるのか?
- 膝や腰の痛みで歩くのが億劫になる
- 筋力が落ちて移動が不安になる
- 人との関わりを避けるようになる(コロナ禍の影響も)
- 天候や気温の変化に過敏になる
これらの心理的・身体的理由が重なることで、外出そのものが減少し、結果として身体機能も社会性も同時に低下していきます。
特に75歳以上の高齢者では、週に1回以上の外出がないとフレイルの発症率が高まるというデータもあります。
また、外出が減るとバランス感覚や下肢筋力が落ち、転倒リスクも上昇。
つまり、買い物や散歩に行かなくなったという小さな変化が、将来的な要介護状態への第一歩になってしまうのです。
食事量の減少は危険なフレイル進行の前兆
「食欲がない」「量が食べられなくなった」
こうした食事量の変化も、フレイルの重要なサインです。
栄養が不足すると、筋肉が減りやすくなり、体力や免疫力も落ちてしまいます。
特に高齢者は筋肉を維持するためのたんぱく質摂取量が若年層よりも多く必要になります。
食事量が減る原因とは?
- 噛む力や飲み込む力(咀嚼・嚥下機能)の低下
- 味覚の変化により食事が楽しくなくなる
- 一人暮らしによる「食べる楽しさ」の喪失
- 料理や買い物へのモチベーションの低下
また、「ダイエット感覚」で食事を制限している人もいますが、これは非常に危険です。
無理なカロリー制限は、逆にフレイル進行を早めることが知られています。
チェックポイント:食事の質にも注目!
- 一日三食、バランスよく食べているか?
- 肉・魚・豆製品などのたんぱく源が摂れているか?
- 食事の時間が乱れていないか?
- 一人で食べていないか?(孤食)
こうした点に変化が見られたら、フレイルが進行している可能性があります。
2023年に日本老年医学会が発表したガイドラインでは、「栄養の偏り」はフレイル診断の主要項目に含まれています。
このように、外出頻度の減少や食事量の低下といった日常の小さな変化は、すべてフレイル進行のサインです。
「歳だから仕方ない」と見過ごすのではなく、「今が踏みとどまるチャンス」だと捉えることが大切です。
周囲の家族や介護者がこうした変化に気づき、声をかけ、支援を始めることで、フレイルの悪化を未然に防ぐことができます。
次回は、こうした兆候を感じたときに実際に何をすればいいのか、フレイル予防の具体策を紹介していきます。
フレイルは予防できる!進行を防ぐために今すぐできること
「フレイル」と聞くと、加齢に伴って自然に進んでいくものと思われがちですが、実はその進行は予防と改善が可能です。重要なのは、本人や家族が“まだ元気なうちから”フレイル対策を始めること。
この章では、誰でも無理なく始められるフレイル予防法として、運動、栄養、そして社会参加という3つの柱に注目し、すぐに実践できる方法をご紹介します。
簡単に始められるフレイル予防運動とは
高齢になると「運動=大変そう」と思われがちですが、フレイル予防においては激しい運動は必要ありません。毎日の生活の中で少しずつ体を動かすことが最も効果的です。
なぜ運動が重要なのか?
フレイルの進行は、筋肉量と筋力の低下(サルコペニア)が大きく関係しています。筋肉が衰えると、転倒しやすくなり、外出が億劫になり、さらに筋力が落ちるという悪循環に陥ります。
つまり、「動かないこと」がフレイル進行の最大のリスクなのです。
自宅でもできる簡単フレイル予防運動
以下は、専門的な道具を使わずにできる基本的なフレイル予防運動です:
- 椅子スクワット:椅子に浅く腰掛け、立ち上がってまた座る。太もも・お尻の筋肉を鍛える。
- かかと上げ:キッチンのカウンターなどにつかまり、つま先立ちになって元に戻す。ふくらはぎの筋力を維持。
- 片足立ち:洗面所などで歯磨きをしながら片足でバランスをとる。転倒防止に効果あり。
これらを1日10〜15分からでも継続的に行うことで、筋力の維持・回復が期待できます。
実践のポイント
- 毎日決まった時間に行う習慣をつける
- 無理のない範囲で、楽しく続けることを重視
- 家族と一緒に行うことで継続しやすくなる
最新の研究(厚生労働省・2024年度調査)でも、週に3回以上、軽い筋トレを行っている高齢者は、フレイルの発症リスクが50%以上低いという結果が報告されています。
栄養と社会参加の両面からのアプローチが効果的
運動と並んで重要なのが、「栄養」と「社会参加」。この2つは、心身の健康を支える柱として、フレイル対策の要です。
フレイル予防に必要な栄養とは?
加齢により、食事量や食欲が減ることで、必要な栄養が不足しやすくなります。
特に重要なのは以下の栄養素です:
- たんぱく質(筋肉の材料):肉・魚・卵・大豆製品
- ビタミンD(骨の健康):きのこ類、魚、日光浴
- カルシウム(骨折予防):乳製品、小魚
- 食物繊維・ビタミンB群(腸内環境と代謝維持)
日々の食事に少し意識を向けることで、これらの栄養素をバランスよく摂取できます。
また、高齢者には「栄養補助食品」や「高たんぱくスープ」などを取り入れる工夫も有効です。
社会参加がフレイル予防に効く理由
孤独や閉じこもりがちな生活は、フレイル進行を加速させる要因になります。
一方で、人とのつながりや役割を持つことは、精神的な活力や行動意欲を高める効果があります。
おすすめの社会参加活動:
- 地域のサロンや体操教室への参加
- ボランティア活動(子どもの見守り、清掃活動など)
- 家族や友人との定期的な電話や食事会
- シニア向けSNS・オンライン交流
これらは、「楽しみながら続けられる」ことが大切です。
また、デジタル機器を使ったオンライン参加も今では主流になりつつあります。2023年の調査では、70歳以上の約3割がスマホで健康管理や友人と交流しているというデータもあります。
予防運動・栄養・社会参加。この3つを日常生活に取り入れることで、フレイルの進行を効果的に防ぐことができます。
特別な準備や費用は必要ありません。
今日からできることから始めるだけで、5年後、10年後の健康状態は大きく変わります。
「まだ元気だから大丈夫」と思わずに、今の元気を維持するための予防行動を少しずつ取り入れていきましょう。
ご自身だけでなく、ご家族にも「一緒に始めてみない?」と声をかけてみるのもよいきっかけになります。
フレイル予防の落とし穴?自己流対策がかえって逆効果になるケース
フレイルは早期に気づき、適切に対処すれば進行を遅らせることができる状態です。しかし、「健康に良さそう」と思って独自に始めた運動や食事制限が、逆にフレイルを悪化させる危険性があることをご存じですか?
この章では、知らず知らずのうちにフレイルを加速させてしまう“自己流の落とし穴”について、具体的な事例とともに詳しく解説します。
間違った運動法で筋肉を痛めてしまうリスク
誰もが陥りがちな「やりすぎ」や「誤った姿勢」
フレイル対策として運動を始めることは非常に大切です。しかし、高齢者にとって「正しく安全な運動」を行うことは、それ以上に重要です。たとえば次のようなケースは、逆効果になる可能性があります。
- 膝や腰に負担のかかる深いスクワットを毎日繰り返す
- 体が温まっていない状態でストレッチを無理に行う
- 転倒リスクがあるのに、サポートなしでバランス運動を実施
こうした運動は、関節や筋肉を傷めてしまう原因になります。特に筋力が落ち始めている高齢者が無理をすると、「フレイル予防どころか入院や安静生活のきっかけ」になってしまうこともあるのです。
専門家のサポートや正しいフォームがカギ
近年では、高齢者の体の特性を考慮したフレイル予防運動が整備されており、市区町村の高齢者向け体操教室や動画配信なども活用できます。
2023年の厚労省資料によると、「専門指導のある体操プログラムを受けた高齢者は、1年後の筋力・バランス能力の向上が自己流の約2倍」という調査結果も出ています。
対策のポイント
- 自分の身体能力に合った運動を選ぶ
- 必ずウォームアップをしてから始める
- 疲れを感じたら無理せず中止する
- 市区町村や地域包括支援センターで情報を得る
「頑張る」よりも「安全に続ける」ことが、フレイル予防では何よりも大切です。
無理な食事制限がフレイルを加速させる危険
健康志向が行き過ぎることでの落とし穴
「太りたくない」「塩分を控えたい」といった思いから、食事の量や栄養を極端に減らしてしまう高齢者は少なくありません。
しかし、フレイル対策においては、十分なエネルギーとたんぱく質の摂取が必要不可欠です。以下のような自己流食事制限は要注意です。
- ご飯を抜くなどの炭水化物制限
- 肉や卵を避けてたんぱく質不足に
- 調味料を極端に減らして味気なくなり、食欲が低下
こうした制限が続くと、筋肉量や体力の低下を招き、フレイルが進行してしまうリスクが高まります。
実際、65歳以上の女性の約30%が、エネルギー・たんぱく質不足の状態にあるという日本老年医学会の報告もあります(2023年)。
低栄養を防ぐ食生活のポイント
- 1日3食をしっかり食べる(間食も活用)
- 主食・主菜・副菜をバランスよく
- 肉、魚、大豆製品、卵を意識的に取り入れる
- 噛む力が弱い場合は柔らかく調理して食べやすく
特に意識したいのが「たんぱく質を1日60g程度(体重×1g目安)摂取する」こと。これは、筋肉量を維持し、免疫力を保つために非常に重要です。
最近では、管理栄養士が作成した高齢者向けの献立アプリなども登場しており、手軽に栄養バランスをチェックできるツールも活用できます。
フレイル予防に対して「良かれと思って」行ったことが、実は逆効果になることもある――これは、誰にでも起こりうることです。
だからこそ、大切なのは信頼できる情報に基づいた正しい知識と行動。特に運動や食事といった身体に直接関わる習慣は、自己判断で進めるよりも、専門家の助言を得ながら行うのが理想です。
「自己流」ではなく「正しい方法」を選ぶことで、フレイル予防は確実に成果を出すことができます。
不安なときは、地域の保健センターやかかりつけ医、栄養士などに相談しながら、一歩ずつ進めていきましょう。
まとめ
フレイルは、決して特別な人だけがなるものではありません。年齢を重ねる誰もが直面しうる「体と心の衰え」であり、気づかずに放置すると、介護が必要になるリスクが一気に高まる状態です。しかし、この記事でご紹介したように、早期にサインを察知し、正しい対策を取れば、フレイルの進行は十分に防ぐことができます。
まず大切なのは、疲れやすさや体重減少といった小さな変化を「年のせい」と片付けないことです。これらはフレイル初期症状の代表例であり、見逃すと社会的孤立や転倒リスク、さらには認知症の発症につながる可能性もあります。日常生活の中で「最近外出がおっくう」「食が細くなった」と感じたら、それは重要なサインかもしれません。
また、フレイルは体力の問題だけでなく、心の元気、社会とのつながりも大きく関係しています。外に出て人と交流する機会を持つこと、バランスの良い食事をとること、そして無理のない範囲で筋力を保つ運動を続けることが、フレイル予防には欠かせません。
特に注意したいのは、自己流で対策しようとして失敗するケースです。例えば、自己流の激しい運動でかえって筋肉を痛めたり、過度な食事制限で栄養失調を招いたりすると、逆にフレイルを進行させてしまう危険があります。専門家のアドバイスを受けながら、無理のない正しい方法でフレイル予防に取り組むことが大切です。
フレイル対策で意識すべきポイントをまとめると、以下の通りです。
- 疲れやすさや体重減少など、初期サインを見逃さない
- 外出や社会参加を積極的に取り入れる
- 栄養バランスを考えた食事を意識する
- 筋力維持のための適度な運動を習慣にする
- 自己流に頼らず、必要に応じて専門家に相談する
私たちの体は、年齢とともに確実に変化します。でも、その変化を前向きに受け止め、早めに正しく対応すれば、フレイルの進行を防ぎ、自立した生活を長く続けることができます。
そして何より、健康でいきいきとした毎日を過ごすためには、体だけでなく「心」と「社会とのつながり」も大切にすることがポイントです。
「最近少し疲れやすいかも」「体力が落ちたかな」と感じたら、それはフレイルの始まりかもしれません。
でも、気づけた今がチャンスです。今日からできる小さな一歩を、ぜひ踏み出してみてください。
このブログでは、これからもフレイル予防に役立つ具体的な運動方法や食事のポイント、日常生活で意識すべきことなど、すぐに実践できる情報を発信していきます。
あなたとあなたの大切な人が、いつまでも元気に自立した生活を送れるよう、これからも一緒に学んでいきましょう!