損をしない「在職老齢年金」のもらい方は?

損をしない在職老齢年金のもらい方 年金について

最近のシニアは、昔のシニアに比べると平均年齢も長くなり、元気になっています。

昔は、55才で定年して年金生活を送っていましたが、今は定年後も働く人が増えています。

しかし、働きながら年金をもらうと「在職老齢年金」の対象となって、収入の金額によって年金を減らされたり、もらえなかったりします。

そこで、あなたが年金をもらいながら働くつもりなら、「在職老齢年金」について知っておくことが、とても大事になってきます。

まず、「在職老齢年金」というのは何なのかを説明します。

簡単にいうと60才以降に厚生年金に加入して働きながらもらう厚生年金(老齢厚生年金)のことです。

なので、厚生年金に加入していない自由業やフリーランスの人は、厚生年金に加入していないので「在職老齢年金」の対象になりません。

在職老齢年金でよく勘違いするポイント

年金をもらえるようになっても働いていると年金を減らされたり、支給されなくなると思っている人が多いと思います。

確かに、間違ってはいないけれども勘違いしているところも多いようなので、よく勘違いするところを教えます。

  1. 年金と給与の合計金額が、47万円(令和4年)までならば全額受給でき、減額されません。
  2. 60才以上で厚生年金に入っている人だけが「在職老齢年金制度」の対象になります。 反対に、厚生年金に入らないで働いている人は、60才以上でも年金の減額や支給停止はありません。
  3. 在職老齢年金制度で減額される年金は厚生老齢年金だけです。 一定以上の収入があると年金を減らされたり、支給されなくなるのは、厚生年金(厚生老齢年金)だけです。国民年金(老齢基礎年金)は、減額や支給停止は無く全額受給できます。
  4. 年金を受給していても、働いて厚生年金を払っていると老齢厚生年金額が毎年定時に改定されます。

老齢厚生年金を満額もらうには

あなたが在職老齢年金の対象となるならば、厚生年金(老齢厚生年金)を満額もらうために給料と満額の厚生年金の合計金額が、在職老齢年金制度の定めた減額や受急停止の金額にならないように考える必要があります。

令和4年からの年金制度では、「給与と年金の月額合計が47万円以下」でなければ、厚生年金の支給月額が減らされてしまいます。

在職老齢年金の計算方法

「在職老齢年金の支給額=基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2」

「在職老齢年金」を計算する

在職老齢年金の年金支給月額を計算して、老後の生活を計画しましょう。

「基本月額」=加給年金を除いた老齢厚生年金/年額を12ヵ月で割った額です。

「総報酬月額相当額」=標準報酬月額に直近1年間の賞与額を12で割った額を足した金額。

「標準報酬月額」=標準報酬月額は、基本給に各種手当や賞与などの報酬で毎年4・5・6月に支給された報酬月額の平均金額を厚生年金保険の保険料額表(1等級~32等級)で調べ、等級を決める。

■在職老齢年金の全額支給とは

令和4年度より、給与が47万円を限度として「在職老齢年金」が全額支給されます。

基本月額と総報酬月額相当額の合計金額が、47万円以下の場合は全額支給されます。

「基本月額+総報酬月額<=47万円」

■在職老齢年金の一部減額とは

「在職老齢年金」は、給与が一定の金額以上になると減額されます。

基本月額と総報酬月額相当額との合計金額が47万円を超え、減額が基本月額以下の場合は、一部が減額されて支給されます。

「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2」

■在職老齢年金の支給停止とは

「在職老齢年金」は、給与が一定の金額以上になると支給されません。

減額が基本月額と同額以上になると基本月額が0円=全額支給停止になる。

老齢厚生年金を全額もらえる給与の上限金額は?

働きながら老齢厚生年金を全額受給できる給与は、いくらなのか?

平均的な例を計算して見るので、参考にしてください。

現在の平均的な年金の金額はいくら?

基本的に老齢厚生年金は、65才から受給できることになっています。

令和4年の厚生省の資料によると平成28年度の年金は、平均で国民年金加入者は5万5373円、厚生年金加入者が14万5638円になっています。

ただし、厚生年金加入者は、国民年金も含まれるので、減額や受給停止になるのは厚生年金だけなので、国民年金は全額支給されます。

減額や支給停止の対象になるのは、14万5638円から、国民年金の平均金額5万5373円を差し引いた9万265円が、老齢基礎年金の支給月額になります。

これらは平均的な金額で、過去に未納期間や猶予期間があれば、この平均的な金額よりも下回ります。

厚生年金を減額されずに全額受給できる給与はいくら?

それでは、平均額を参考にして、全額受給できる給与の金額を計算します。

この金額を参考にあなたが年金をもらえる時の給与で減額されるかどうか判断してみてください。

在職老齢年金制度では、年金が全額支給される限度額は「厚生年金(基本月額)と給与(総報酬月額相当額)の月額合計が47万円」なので、厚生年金加入者の平均金額から計算すると41万4627円が減額されない給与の限度額になります。

「47万円-5万5373円(厚生年金)=41万4627円」

あなたの給与がこの限度額を超えると、超えた金額の半分が厚生年金から減額されます。

例えば、厚生年金が9万円で給与が40万円の場合の計算式は

「5万円(基本月額)-(5万円+44万円(給与)-47万円(定額))÷2=4万円(支給額)」です。

基本月額と給与の合計から、限度額の47万円を引いた金額がマイナスなら、全額支給されるし、プラスの場合は、その金額の1/2が基本月額から減額されます。

まとめ

「在職老齢年金」で大事なことは、全額支給にこだわらないということです。

たしかに一定の金額以上の給与があると減額されますが、減額されるということは、それだけの給与があるということです。

減額されないために、給与を下げると全体としての収入は減ってしまいます。

あくまでも、自分で受給できる年金額を計算して、老後の生活に適した働き方を考えましょう。

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